都民劇場の定期公演で、覇王別姫を観てきました

中国の有名なダンサーが作った作品、とういうことしか知らなかったので、
渋谷に向かう電車の中でHPをチェック。
「項羽と劉邦の戦いと、項羽の愛人虞美人の話」との説明を読み、
「あぁ、あの四面楚歌の話。
虞美人って項羽の愛人だったのね~知らなかったわぁ」みたいな感じで

前衛的なダンスは好き嫌いが出るからな~とか、
今回は天井桟敷で舞台がすご~く遠いからなぁとか、
ちょっと引き気味だったのですが、
始まったら、もうあっという間に夢中になりました

中国の古典的な音楽、踊り、京劇などと、
アクロバティックな動き、現代的な演奏が融合し、
まさしくエンターテイメントな舞台でした

ダンサーたちの身体能力の高さ、キレッキレな踊りを観て、
中国は雑技団や少林寺拳法のお国でもあったのだったなぁと思い出しました。
とくに印象に残っているのは、項羽

そのカリスマ性、能力の高さ、圧倒的な存在感が
天井桟敷まで伝わってきました

私は勝者の劉邦が主役なのだろうと思っていたので
「へぇ、敵役を随分かっこよく描くのだなぁ~」と意外に感じていました

でも最後まで観て気付いたのですが、
項羽が主役だったのですよね

タイトルからして覇王(項羽)、姫との別れ、ですもんね。
項羽を演じた方の踊りは抜群でした。
キレのある武闘の踊り、見事でした

滞空時間が長く、ポージングも美しいので、
フィギュアスケートではバタフライと呼ばれる技
(身体が地面と一瞬平行になる)などは、
ワイドパンツのような衣装が大旗のように翻り

見応えがありました
その一方で、虞姫とのデュエットの際は、
小柄な虞姫を、
美しい小鳥を守るように、そっと、そっと、包み込む・・・
そんな優しさにあふれた踊りでした

項羽がどれほど虞姫を大切に思っていたのかが伝わってきました。
激しい武闘の踊りと、優しいデュエット。
このギャップに心つかまれました

これぞギャップ萌ってヤツでしょうか~

女性の演出であること、その繊細さを感じました。
ちなみに虞姫は、京劇のように男性が演じていました。
小柄で身体が非常に柔らかい方でした。
また女性以上に女性的な動き。
男性だからこそ、あそこまで女性的なしぐさができるのでしょうか。
歌舞伎の女形よりももっと性的な印象が強かったです

↓虞姫を演じた方
書き切れないほど見どころが満載の作品で、
本当にあっという間の2時間でした。
ここに載せている写真はカーテンコールの際に撮りました(撮影可でした)。
でも天井桟敷からiPhoneで撮ったので・・・

↓手前がヤンリーピンさん
帰りにロビーを通った際、
サイン会に向かうヤンリーピンさんと擦れ違いました。
カーテンコールの舞台上では、
迫力と貫禄のある美女に見えたのですが、
近くで見ると、小柄でとても可愛らしい方でした

「あ、まだ若い人なのね~」と思ったのですが、
後で調べたら1958年生まれ!!!驚きました

究極の美魔女だと思います

クライマックスのシーンでは、
舞台に赤い羽毛が敷き詰められていました。
これが舞い上がると、まるで血しぶきのように見えました。
右端の白いものは、紙の塊。
切り絵の達人の女性がここに座り、
主に漢字を切り出して、状況説明の役割をしていました。
↓劉邦を演じた方
また、天井にぶら下がっているのは無数のハサミ。
中国ではハサミが神器だったのだとか。
これが揺れたり、高さを変えたりするのですが、
ハサミがぶつかり合う凄まじい金属音も効果音として使われていました。
もっと項羽と劉邦、韓信などの人物像について知りたくなり、
マンガ中国の歴史「項羽と劉邦」を買って読んでみました。
能力は高いがワンマンだった項羽、
本人の能力はさほどではなかったが、人柄が良く、人に恵まれた劉邦、という感じでした。
少数で大軍を撃破し続けた項羽は、
日本で言ったら源義経みたいな感じでしょうか。
一方劉邦が興した漢という国は400年も続いたのですよね。
そして三国志の劉備玄徳は劉邦の子孫とのこと。
すごいなぁ~とドキドキします

舞台があまりにも素晴らしかったので、
知的好奇心まで刺激されてしまいました。
ぜひもう一度、観たい作品です

あと、なぜかダンサーたちの名前がHPに掲載されていなくて、
「ヤンリーピンカンパニー」とひとくくりにされています。
どんな人たちが演じていたのか、ぜひ知りたいです

今回の着物
茶色の鮫小紋の着物に
霞?雲?の柄の名古屋帯。
朝、着付けの際、帯がうまく結べなくて焦りました^^;;;
柔らかめの帯は、結びやすいようでいて、
形が決まりにくいのですね

修業しなくては^^
長いレポートを読んでくださり、ありがとうございました

撮影:2019/2
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